IE9ピン留め

カテゴリ:Japan Trip (広島)

  • 2日目 広島編
    [ 2008-05-16 01:52 ]

2日目 広島編



広島Tripはタイトなスケジュールだった。夜までに京都に戻らなければならないという制約があったため、朝一番の新幹線で出発し、午前中に宮島、午後に平和記念公園を訪問するというスケジュールを分刻みで策定した。最初の目玉は新幹線であったが、新幹線は極めて定刻通りに出発するため、出発時刻に遅れないよう徹底しつつ、まずは朝食の買い込みへ。幸運にも京都-広島間はいわゆる700系という最新の車両であり、日本の誇る交通インフラを紹介するよい機会。我々が乗る車両が近づくや否や、皆一斉にカメラを手にする。とりあえずは、全員無事に乗りこみ、広島への旅が始まった。

広島駅に到着した後、バスとフェリーを利用して宮島へ向かった。もともと、広島=原爆のイメージが強いためか、「午前中はどこに行くんだっけ?」と何人からも聞かれたが、フェリーの船上から徐々に有名な朱の大鳥居が視界に入ってくるにつれ、歓声も聞こえ始める。桟橋に到着すると、まるで奈良に来たかのように錯覚するほどの鹿の出迎えを受け、厳島神社へ徒歩で向かった。Itsukushimaは発音が難しいのか、Orange Shrineと呼んでいる者もいたが、海上に浮かぶ朱色の社殿はBeautiful、Peacefulと非常に好評だった。途中、実際の神殿式の結婚式に遭遇するなどの幸運もあったが、仏教寺院とはまた一味異なる日本建築の粋を紹介することができたのではないかと思う。唯一気になったのが、神社から鳥居側を向いた正面の背景に、陳腐なホテルが建っていたことだろうか。明らかに景観を損なっており、参加者も口々にUglyと指摘していた。その後お土産の通りを通って、帰りの桟橋へ向かったが、途中「日本はどこに言っても食べ物で溢れていて、かつ全てがおいしい」との感想があった。これまであまり考えたことがなかったが、確かに、日本は駅でも観光地でもどこでも、ちょっとしたお菓子やつまみなどに溢れていて、水準も高い(少なくともアメリカと比較すると圧倒的に)。そのような新たな発見もしつつ、広島Tripの最大の見所、原爆ドームへ向かった。

少し古い話になるが、20世紀も終わりになろうとする1999年から2000年にかけて、AP通信など、世界のマスメディアが20世紀の代表的ニュースを選出する取り組みを行っていた。その中で、一環して1位に選出されていたのが、広島・長崎への原子爆弾投下である(2位はロシア革命やアポロ11号の月面着陸)。広島=ヒロシマであり、かくも著名な場所であったため、きちんと引率をしなければならないと出発前から責任も感じていた。誰もが基本的な知識は有しており、今回のJapan Tripの訪問地で最も説明が不要な場所でもあっただろう。

さて、原爆ドームである。バスの中では到着直前になっても、段取りを説明する筆者に対し、「歌え」などと冷やかす始末だったものの、原爆ドーム前でバスを降り立った瞬間、表情が一変し、皆神妙な面持ちでドームに見入っていた。説明文を読む者、解説を始める者、写真を撮る者と様々だったが、とりあえず、原爆少女の像を経て慰霊碑まで誘導した。ここで有名な「安らかに眠って下さい。過ちは繰り返しませぬから」の碑文に皆が注意を向け、「何て書いてあるんだ?」と繰り返し聞かれたため、訳しつつ、主語があえて省かれている旨などを解説。その後、皆で集合写真を撮影した後、記念資料館に移動して自由行動とした。ここで驚いたのが、資料館の充実ぶりである。参加者が口を揃えて「素晴らしい資料館だ」と絶賛していたが、原爆による被害はもとより、戦前の広島の様子から、投下にいたるまでの歴史背景、核廃絶への運動など、展示内容は多岐にわたった。特に多くの者が足を止めていたのは、原爆投下にいたるまでの歴史背景の展示だろうか。アインシュタインがルーズベルトに送った核開発を促すレターや、投下の標的としてドイツと日本を比較検討する際の米国政府の内部文書などは、それまで知らなかった事実として衝撃を与えた様子だった。また、韓国人の友人は1000人を超える同胞の被爆者の慰霊碑を訪れ、ベトナム人の友人は自国の枯葉剤の被害に広島を重ね合わせるなど、皆がそれぞれの形で思いを馳せていた。このように、皆が真剣に、そして静かに展示と向かい合っている姿を見ると、広島をコースに含めて正解だったと改めて実感した。中には、「Peace Memorialに来ただけでも、Japan Tripに参加した価値があった」との声も聞かれた。その後、資料館の外の公園の木陰に自然と皆が集まり、午後の一時を共にゆったりと過ごした後、京都への帰路に着いた。

Toru

by Haas_Japan | 2008-05-16 01:52 | Japan Trip (広島)